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最新更新日 2018.10.28



京都写真学校入学ガイダンス

カメラを使った作家の養成
少人数制で学べる京都写真学校です




   京都写真学校入学ガイダンス
       
(読まなくても入学できます)


写真が楽しい!基礎編

写真は「技と心」です。
これから本格的に写真の技を磨いて心を表現することを勉強する人に、
ぜひ知ってほしいことを5つの項目にまとめています。
入学後のカリキュラムの基礎編にあたるところのガイダンスです。

     
        2013.4.21

いま写真がおもしろい!!

いま写真がおもしろい!!
デジタルカメラで気の向くままに撮って見てまた撮って見て、
そこに友だちや大切な人がいればもっとおもしろい気持ちになるよね。
写真ってコミュニケーションのツールなんです。
でも、どうしたら上手になるのかわからないと悩み始めたひとへ贈ります。

写真はあなたの心です。心を表現するには表現する技術が必要です。

ところで「心」とはいったいなに?どんなものなのでしょうか。
いま、写真の心をめぐって、熱い議論が交わされつつあります。
あい写真学校では時代の本質を見つめ体感するためのカリキュラムを中心にした、
感じられる写真の創り方を勉強します。

写真がなぜ面白く感じられるのかというのは、
直接人間の、つまりあなたの心の奥深くに眠っている神秘さとか
感動を起こす感覚とかが目覚めてくるからだといいます。

写真というのは撮影技術をマスターしたからってわかるものではないです。
ますますわからなくなってくるのが、誰もが体験することではないですか?
なぜ、そうなるのかといえば、写真を撮ることで何かを表現することなんですが、
それが自分の生きてるってことに直結していて、生きているっていう快感なんです。
でもその意味を見きわめることって、実はなかなか大変なことです。

これまで偉大な芸術家って呼ばれている人たちが創造力をかきたてられた源泉は、苦悩の奥深くにある快感を求めてきたのです。それがひとを感動させるのです。

写真を始めたあなたはね。つまりすでにその入り口に立っているってことなんです。
祈るということではなくて、あなた自らがいのちの恵みを受けに前へ進み出る、というのが写真の行為そのものなのです。
写真が面白いと感じられるのは、前へ進み出ることにつながっているからです。

でも、やればやるほど何を撮ったらいいのか、どうしたらいいのかわからなくなるのも事実なのです。ですから、その解決の糸口をほかのところから導いてこなければいけない。自分に対して他者の存在があって、そこに境界があって、この境界を越えていくコミュニケーションの方向、自分の心を開いていくということなのですね。そのための学習をすることが必要なのです。

写真を撮って人に見せたい、見てもらいたい、っていう欲求は、このコミュニケーションを求めていることなのです。ですから、あなたが撮った写真を支えているルールというか意味というか、そういうものを自分で考えていかないと相手は感じてくれない。

写真を勉強するってことは、そういう感じをあふれさせるということなのですが、どうもこれまでの写真学校では技術的なことは教えてもらえるけれども、喜ぶ快感はあまり教えてくれなかった。むしろ写真を創っていくことは苦しいことなんだ、と教えてきたのです。

時代環境が変わってきて、新しい生き方っていうのは、この快感を快感として認めてあげることで、これを求めていくことです。
新しい写真の勉強というのは、そんな新しい時代の向こうにいくための心・気持ちをつむぎだしていくことです。そういう新しいタイプの写真家を育てたいと思っているんです。

      
           写真ワークショップ風景 2009.2.8

京都写真学校へ入学前と卒業後

写真って学校で教えないんです。小学校から大学まで、それなりの専門学校とか大学の写真学科は別として、学校で教えてもらうことがないんです。
でも写真って手軽に扱えて、そのうえアーティスト気分を味わわせてくれるので、大変人気があるんです。

ところで写真を撮る、表現するということは、心と心のコミュニケーションです。入学前の現在まで、もしあなたが漠然とした生き方だったと思われるのだったら、入学後は、生きることの明確化の糸口をつかむことといえるのかも知れない。そして充実した生き方を得るのが未来だとすれば、卒業後のあなたの姿はきっとすばらしいものになっていますよね。

ぼくは今の時代、こころの失われた時代だと思っています。一人ひとりには豊かな心があって、それをだいじにかかえているんだけれど、それよりも他人との関係や、お金を稼がなければならなかったりで、自分の気持ちに負担ばっかりかけさせられてしまって、それで一人で悩んでいる。このような現状じゃないかなと思っています。

そうだとしたら自分の心を、気持ちを、家族や友だちや、大きく言えば社会に知ってもらいたい、共有したい、心の底から理解してもらいたい……。そう、いつも心の深いところで、一人ぼっち感覚をなくして、日々楽しく満足感あふれる気持ちでありたい。

写真を撮っていくことって、そんな気持ちをもって生きていくためのひとつの方法だと思います。
心を共有する、というのはそんなに単純なものではないけれど、いろいろなプロセスを踏んでいかなければいけないけれど、基本的には、写真を撮るということは、そのことにつながっていくのだ、ということを真っ先に知ってほしい。

卒業後に写真を仕事にしていくとしても、そうでないとしても、自分が生きていくということに密着してあることだと思います。

人に自分のことを知ってもらい、自分を楽しくさせるもの、それが写真を撮ることの基本だと思います。
このことを実現させるために、そのなかで自分が生きていくために、写真を撮る技術のことや、考え方や思い方、過ぎ去った日々のことを知って、じぶんがいまいる場所を確認していくことが必要です。

あい写真学校は入学から卒業までの間、通信で双方向にやり取りをします。これは直接にあなたの心と対話するものです。新しい時代の心と心が交流できるコミュニケーションです。言ってみれば境界線のないコミュニケーションの方法です。心と心の共有です。
あなたの心を豊かにする写真のレッスンを、さあ、はじめよう!!

    
              
第63回セミナー 長谷川さん作品 2009.12.27
        

写真で心を表現するってどういうこと?

写真はコミュニケーションの手段だっていいましたけれど、日常の生活会話と同じではなくて、小説や映画なんかを製作するのと同じように創造的なことなんです。

写真は自分の心を表現する手段のひとつです。写真を撮り始めるにあたっては、これまでのあなたの生活してきた知識の積み重ねの上に立って、自分のやりたい気持ちが備わっていることが重要です。

写真を撮って見ることって楽しいし面白い!!まずそう思うことから始まります。そのように思ったりするのが「心」ですよね。その気持ちを写真に現すのです。

でも写真を撮り始めると、写真っていったい何なんだろうって考えたり、どうしたらもっとうまく撮れるんだろうって思ったり、そういうことが出てきます。これはあなたのなかの自分発見、気づきの糸口なのです。

写真というものは、様々な世界の断面と深く関わりを持っています。その中にあって、あなたが日々生活しているという現実に、身体と心(感性)で写真に関わります。写真に関わる時間、生活する時間の全体から、労働し、食事をし、音楽を聴き、小説を読み、友達と話をし、過去を思い出し、未来を予測し、楽しくなったり淋しくなったり……そうして何かを創りだしてみたいな〜って思ったときそこに写真がある。

写真で心を表現することって、自分の気持ちを現すこと、でも現し方がけっこう難しいかも知れない。カメラという道具を使い、身体を使い、そのなかでもとりわけ脳を多く使いたい。過去の経験といまの自分の考え方や思い方、そして、大切な人と気持ちを交換する「写真」を創るということ、これはウキウキ絶対に面白くて楽しいことなのです。これが「心を表現する」秘訣かなって思います。

写真を創るときには、いろいろな判断が求められます。写真という一枚のイメージがあなたと大切な人との間に並ぶのですよ。そして写真は、あなたが生きていく痕跡を残しながら積み重なっていくのです。写真で心を表現することって、充実して生きていく跡を残していくあなた固有の物語を創っていくことなんですよね。そのためにも写真を撮る技術や社会のことをも知る必要があるわけです。


    

写真で仕事をしたい!プロになる

写真を撮ることでお金をもらう。こんな世界があることはみんさん知っていると思うけれど、どうしたらそんな風になれるのかな、と思っていませんか。

写真を撮ることでお金になる、つまり働くということは、その気になればなることができます。だけど楽してお金になるってことはまあ滅多にないということを知ったうえで、プロ写真の現場ってどんなところがあるのだろうか。

あなたが日々過ごしている中で、さまざまな写真があることに気がつくだろう。本屋さんへ行けば雑誌には写真がいっぱい詰まっている。雑誌にもいろいろあってファッション、モーター、旅行、料理…。新聞を見れば要所要所に写真があるでしょ。
取材写真といって雑誌に必要な記事の写真を撮ること、広告のポスターの写真を撮ること、こんな現場で写真を撮ることを想像するかもしれないけれど、それだけではないよ。結婚式の記念写真、七五三や成人の記念に撮ってもらったこともあると思うけれど、これも仕事です。

フリーランスで仕事として写真撮影を請け負う方法やフォトスタジオを開設してコマーシャルの仕事を請け負う方法などがあります。具体的な細かいことは、プロ養成を目的とした2年目以降にプログラムがあるので、そこで学習してほしいが、まあ、基本には写真が好きでそれなりの知識も備わっていて、なおかつやる気が必要だと思います。

    

そして将来、写真作家・アーティストとして活躍したい

この先、写真を撮って発表しアーティストと呼ばれるようになって生計を立てる、つまり写真で仕事をしたい、って人にはいえないけれど心で思っている人がいます。あなたはどうですか?でも、でも、ですよね^o^

でも、この気持ちを表に出しましょう。そのように思って人のまえで宣言することからはじめましょう^o^ そこからしか始まらないですからね。実力もないのにはずかし〜いって思ってると思うけどね。でも自分に素直になればいいんです。

アーティストと呼ばれるには写真業界に関係する人の認知が必要となります。美術館の学芸員、ギャラリーのディレクター、評論家、編集者といった人たちの認知です。アーティストっていう価値は絶対的なものではなくて相対的に作られていくものなのです。だから、認められることが条件となります。だったら認めてくれる条件を満たせばいいのですよね。

アートの現場(アートシーン)では、もう古いけど「サンプリング」だとか「カット&ミックス」だとかリミックスってのもあるね。これは作品を作る手法ですが、自分の撮った写真を単独で使うというよりも+アルファーっていうのかな、そこからCGやメディアアートっていわれているジャンルへもいける。これがデジタル写真アートへの方向かも知れないですね。

ある意味で不透明な現代社会の中でアートの価値軸そのものが複雑に分岐しているのが現状だと思います。もちろんそういう現代の動向をふまえて作品つくりのアイデアを創りだすことが求められますが、その上に立って業界の話題になることなんですね。

そこで業界の話題になるために、賞がつけられるコンテストがあるから、それに応募し大賞を得ることがいいのでしょうね。でもそればかりではないことも知っておく必要があります。また、それ以前に自分の作品のことを自分が知るということが絶対不可欠なことなのです。

「あい写真学校」があなたに施したいのは、コンテストの大賞を得るためのテクニックではなくて、また業界の認知を受けることを優先するのではなくて、自分を知ることに重点をおきたいのです。

あなたの考え方やアートシーンの潮流を知って、自分がどの位置にいるのかということを自分で測り知ることができるようなアーティストになってほしいと思うのです。そのことが結局アーチストとして成熟していける最短コースなのです。
さあ、さりげなく、がんばろ!!

    

写真の楽しさ技術編

写真で自分を表現していくための撮影技術を学びます。

写真撮影技術の基本はピント合わせと露出を知ること

写真撮影の現場で技術的なことで一番大事なことが「ピントを合わせる」ことと「露出の決定」ということです。
詳しい話は、入学されてワークショップのなかで、あなたが撮った作品を見ながら、あなたに則して判りやすく個別にアドバイスをしていきますが、カメラで撮影するとき一番重要なポイントは露出です。

露出(ろしゅつ)ってわかりますか?カメラに入れてあげる光の量のことです。どれだけの光の量を入れてあげるかで写真のできばえがぜんぜん違うものになります。

プロカメラマンの写真をみて、ハッと思うような色彩に、どうしたらこんなのになるんやろ?って思ってしまうことってあります。
そう、露出の決定っていいますが、表現する目的にあった一番適正な光の量をカメラに取り込むことで、見違えるほど見栄えがよくなるのです。

あい写真学校では、適正露出ということに重点をおいて、技術を学んでいきます。

そのために必要な技術の知識は、レンズ、絞り、シャッタースピードの三点セットをどう組み合わせるか、ということにもつながります。

それからピントをどこに合わせるか、構図をどうするか、ということも大切な要素です。

いちばん重要なことは「何を撮るか」ということで、これは撮影技術とは別の枠で考えていきますが、撮影技術としては次の三つを「あい写真学校」では優先させてじぶんのものにしていきます。
(1)露出の決定
(2)どこにピントを合わせるか
(3)構図(作画)の決め方

この三つでぐっと見た目がよくなります。

      

露出の基本

露出の基本はあなたの感性です。
現在のカメラは自動露出オートフォーカスで撮影できるようになっていますから、もちろん露出を考えることがどうしても必要だということもないのですが、露出にこだわりことで、自分の感性を表現することにつながっていきます。

写真は光があるとこでしか撮れないのですが、カメラ設計の上で何を基準として適正な露出とするのか、ということがあります。
フィルムカメラだと、専門的には「18%グレー」っていう色の濃さが適正値として設定されます。真白から真黒まで光の量を平均すると「18%グレー」といわれる濃さになることなのです。

ここではそんな専門用語の意味を探ることより、あなたの感性に密着した色調に仕上げるために、どのようにしてコントロールするのかということを重点として学習してきます。

ですから露出の基本は、自動露出の値ではありません。カメラが測定してくれた値をそのまま使うときもあれば、カメラの測定値を補正して使うときもあるのです。
このノウハウを撮影体験のなかでつかめるようになりたいですね。

      

 
構図(作画)のはなし

一枚の写真の枠の中にある図柄は、基本的にはこれまで撮られた多くの写真を参考にしたり、絵画の世界を参考にしたりして、あなた自身の作画スタイルを確立させていくのが順当な方法かと思います。

なにも過去の構図にとらわれることは一切ありません!と言ったって、そのとおりなんですが、あなた自身の構図で、写真を見てくれた人が感動してくれればいうことないんですが、写真を撮り始める以前に美術作品を創作していた経験とかがあるひとなら、すでにその人のスタイルが出来ているかもしれないけれど、これから写真を始めてみよう、過去の制作経験がない、というひとは、どうする?

そこで「あい写真学校」のワークショップでは、あなたが撮った写真を見ながら、過去の優れているといわれる写真なんかも参考にしながら、アドバイスをしていきます。
被写体との距離とか、何を入れ何を入れないか、などちょっとしたアドバイスでぐっと見栄えよくなると思います。

構図(作画)をどうするかというのは、写真制作の中心となるものではありませんが、制作技術として露出とともに重要なことです。

      

光の質をとらえて表現に生かす

写真制作技術で露出や構図とともに重要なことは、光の質(朝の光と昼間の光は質が違う)をとらえて、どのように写真に写しこむのか、ということがあります。

色調(写真では色温度っていいます)をどう整えるかという問題です。

写真って、見たままの感じが見たままのようには写らないものなのです。
色が目で見たように表現できない(モノクロームだとコントラストのコントロール)というのがあります。

次に見るデジタル処理の方法であとから色調などの調整をするって方法もあり、最近ではそれにゆだねるってこともありますが、基本的には写真を撮る段階で出来上がりになっているということを前提に学習していきます。

露出、構図、色調(コントラスト)
これを表現を支える技術の三要素として学習していきたいと思います。

      

撮影後の処理

デジタル写真の撮影後の技術的処理というと、基本的にはパソコンでの画像処理です。

「あい写真学校」での学習カリキュラムでは、パソコンでの画像処理については詳しくは学習しません。
パソコンやデジタルカメラを購入したときに付いているソフトを使って、アルバム仕上げやカレンダー仕上げなどのノウハウや、またフォトショップなどの専用ソフトの扱い方などの学習は原則としておこないません。
でも、使用ソフトの取り扱い説明ではなくて、学習途上で必要に応じて使用効果ということでアドバイスはおこないたいと思います。

これは、デジタル写真での創作過程の途中であなたのコンセプトが明確になってくる段階で、パソコンをどれだけ使って処理(写真を創ること)するのか、ということのアドバイスです。

      

写真の歴史と理論編

あなたの写真表現を作品として実現させるためのバックヤードとなる領域です。
写真の歴史と理論編では写真という分野に限定して、その世界で何があったのかを知っていきます。
写真の歴史や写真家と写真理論の見方などを学習していきます。


写真の歴史を学ぶ


写真の発明は1839年、パリにおいてダゲールが発明者となります。
それから166年目の現在、写真を学ぶにあたって、技術修得と同時に歴史上に何があったのかを知ることが必要だと考えます。
あい写真学校では、写真を学ぶ人が理解しやすいように写真の歴史をテキスト化しております。
自分にとって写真とは何か、ということを問うための参考資料です。


現代写真の潮流-デジタル写真の世界-

いま世の中に発表されている写真群を理解していくために次の4つのカテゴリーに便宜的に区分しました。
1、フィルム写真の現状について
2、デジタル写真の現状について
3、現代の写真が扱っている主要なテーマはなんだろう
4、今後、中心となるテーマはどんなことだろう

写真作家の論

代表的な歴代の写真家について、作家と作品を解釈していきます。
学習の方法としては、写真表現をめざすあなたが、自分の立ち振る舞いを点検したり、
今後の生き方を考えたりするための資料とするものです。
ここでの論も定説的な評価軸を基準に置きますが、なによりもあなた自身がその作家と作品をみて感動するか否か、
こころ動かされるかどうか、というところに基準を置くことも必要なことです。
いま、それぞれのカテゴリーが相互に深く関連しながら全体として、いくつもの表現方法が展開されています。
学習の目的は、あなた自身の表現方法を導き出すためのバックグラウンドにしていくことです。

写真作品の論

一枚の写真に託された作家のメッセージを読み取っていきます。
一枚完結の写真、群でみる写真、作家の立ち振る舞いをも含めてみる写真、作品を見る視点を変えながら、
写真表現とはなにか、というテーマに迫っていきたいと考えています。

      

写真の理論概観

その1、哲学・歴史学などに関係する分野

写真が拠って立つ場所、という言い方があります。
写真にあらわされるイメージが現実に起こったことの証であったり、
内に醸成されてきたイメージの定着であったり、その表現手法は様々です。
写真の発明が1839年、それに先行する哲学や歴史学などの文脈にのっかって、
写真というものをどのように考え捉えるのか、ということが論じられてきましたし、
今もなおこれからも論じられていくものだと考えています。
写真を創るということが、その時代を支配する哲学や歴史学と無縁ではなくて、
むしろそのことを底辺に組み込みつつやってきたといえます。

ここでは、現在的な意味での哲学の動向や歴史学の動向を踏まえて、
写真の在処を探していくこと、いうなれば新しい写真の意味を創りあげるための哲学や歴史学を必要としているといえます。
あい写真学校では、この関係分野を取り込みながら写真のあるべき形と姿を求めていきます。

その2、社会学・社会心理学などに関連する分野

写真が撮られる現場をどのように解釈すればよいのでしょうか?
写真家はどのような視点で写真を撮ればいいのでしょうか?
こういう疑問に突き当たったとき、写真が社会という器のなかでどのような役割を担っているのだろうか、
と考える方策として社会学や社会心理学の動向を見極めながら写真を捉えていかなければなりません。
あい写真学校では、写真の内容を理解するための方策として、
社会学や社会心理学の手法を基に解析していきたいと思います。

その3、現代の美術・文学・音楽・映像などに関連する分野

写真が芸術か否か、という議論があります。
自己を表現する手段としての芸術、その諸ジャンルを観ながら写真の存立基盤を捉えようと思います。
同時代の表現が、手段としての制作材料や機材の違いはあるとしても、その内側で共有するものは同じものではないでしょうか。
さまざまなジャンルに分けられてきた芸術分野がデジタルネットワークの時代というのは、
それらが統合していく時代でもあります。
あい写真学校では、こういった視点から写真という表現方法を見つめていきたいと考えています。

     

その4、デジタル領域でのデジタル写真の位置について

デジタルの時代が到来してきてもう何年になるのでしょうか?
デジタル写真が本格的に普及してきました。160余年前、写真術が発明されたときには、
絵画模倣を道を辿り始めた写真でしたが、一定時を過ぎるとともに写真独自の表現方法を見つけ出すにいたりました。
このことを念頭においてデジタル写真を考えることは重要なことだと思います。
フィルム写真とデジタル写真の並立する現在にあっては、まだデジタル写真独自の表現方法が確立されていません。
しかし、デジタル時代に有効なデジタル写真の使い方があってよいのです。
いよいよデジタル写真独自の方法、ネットワークの手法を編み出していこうではありませんか?!
写真展形式がネットワークのなかに組み込まれる。デジタル処理によるWEB写真展が発表の主流になる日も近いと思います。

その5、政治や経済と写真表現

いつの時代においても政治や経済の動向が芸術のあり方を方向つける、ということがあります。
では、いま、グローバル化する世界政治・経済システムにおいて写真表現はどのように変容していくのでしょうか。
写真のテーマを創りだすその基本に、政治・経済の動向を勘案していくことが必要だと認識します。

さあ、写真を学ぶみなさん、これらのことから何を見ますか??
写真をどのように捉えますか??
ここがあなたの出発点です。さあはじめましょう!!












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