写真基礎講座

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   表 題: 


京都写真学校 テキストカリキュラム

最新更新日 2018.10.27



 区分:カリキュラム技術編 科目:カメラワーク


レッスン番号 031

i-photo school
--京都写真学校カリキュラム--


      写真基礎講座 全13講

                          2005.6.17〜2005.8.23 nakagawa shigeo

     
       


  写真基礎講座
   <撮影技術の話>


写真を撮る。フィルムカメラでも、デジタルカメラでもいいんですが、写真を撮る。
写真を撮るには、一定の技術(スキル)が必要なわけです。
この技術の基本は、ピントを合わせる、露出を合わせる、その次に、構図をどうする。
<ピント・露出・構図>この三点が、写真撮影技術をマスターする基本におきます。

●ピント
自動露出でオートフォーカス(自動ピント合い)カメラ。
フィルムカメラであれ、デジタルカメラであれ、おおむねこの方式のカメラで写しますね。
被写体にカメラを向けて、シャッターを押せば、写真が出来上がる。
ええ、最初のうちは、これでいいんです。
でも撮って行くうちに、だんだんと欲が出てきて、写真を見る目も出来てきて、上手に撮りたい!と思うようになるんですね。

初心者の方の写真を見ていると、ピントが合ってない。撮った人はピントが合っているのか、合っていないのか、この見分けが出来にくい。明らかなピンボケってのは判るとしても、微妙なピンボケは分別つかない。そういう状態だと思うんです、経験からね。
ただ漫然と写真を撮ってるって感じで、オートフォーカスカメラで撮ると、画面のどこかにピントが合います。
このピントが合ったところと、自分がピントを合わせたかったところが、ずれているんです。

フォーカシング(ピンと合わせ)の方式は、カメラによって違いますが、前例の<自分がピントをあわせたいところ>にピントを合わせる。具体的には、花を撮りたいと思ったら花に、人を撮りたいと思ったら人に、ピントを合わせる。
この話をお読みの方、当たり前のことやない?!ですよね。ところが、初心者の方、出来てますか?
まあ、初心者の方って、このことが判らないから、初心者って云うのだと思いますが、<ピント合わせ>。

写真の基本は、ピントが合っていること。ただし例外ありですが・・・。

    

  写真基礎講座
   <撮影技術の話-2->


●露出
自動露出カメラで露出を合わせる必要があるのか?って不信にお思いの方もいらっしゃると思います。昔のカメラだったら、露出計が内臓されていなかったから、露出を合わせる必要があった。今は、内臓露出計の精度も上がって、普通はそのままシャッターを押せば、無難に仕上がります。

といいながら、撮りたいと思った被写体に適正な露出が与えられているかというと、必ずしもそうではない。たとえば逆光で人物を撮ったとき、人物の顔が暗い。こういう経験をされた方、いらっしゃると思います。この例ですと、全体としては適正なんだけど、人物の顔部分においては露出が不足していた。だからこの場合だと、プラスに補正してあげればいいわけです。この逆の場合、順光で花の写真を撮ったとき、葉に露出が合って花が白く飛んでしまう。この場合は、全体に対して、花の白っぽい部分が露出オーバーになってしまった結果だから、マイナスに補正してあげればいいわけです。

というように、自動露出カメラには、露出補正がついていますから、補正してあげます。じゃ〜なぜ、そんなことが起こるのか、という問題です。露出計は、真っ白、真っ黒のモノを写したとき、灰色(18%グレー)になるように設計されています。全体が白っぽいとき、または背景が明るいときは、露出が不足するほうに傾いてしまうのです。また、全体が黒っぽいとき、または背景が暗いときは、露出が過多のほうに傾いてしまうのです。そこで、前段の要領で、補正したほうがいい、撮りたいモノ(前面にある場合が多い)に対して不足または過多になるのです。

どの程度の補正が必要か、これは、正確にはスポット露出計とかを使えばできるんですが、そこまでしなくても、撮りたい部分をカメラの露出計で測って、その数値にしてあげれば大体は、解決します。ただし、作品作りを意識すると、自分の好みもありますから、適正値よりもプラスまたはマイナスが、自分にとっての適正値となることもあります。厳密に言い出したら、適正露出の問題は、かなり奥深いですから、それ相応の経験を積んでいくなかで、見る目も出来て、自分流の適正露出をつくりだすことになります。

適正露出値は、画面上の暗部と明部の露出差によっても変わってきますから、公式があってないようなものです。ポイントは、撮りたい部分に露出が合っているかどうか、これの見極めだともいえます。

     

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   <撮影技術の話-3->


●構図
四角い枠のなかに納められたイメージ(像)であります写真。このイメージの形をどうまとめるか、というのが構図あるいはフレーミングとも云っています。
写真の原形を、ある意味で歴史的には、絵画に求めることができます。だからここで、構図といったときの基本は、絵画領域が培ってきた画面の作り方、その構図が基底にあります。・・・なので、構図の基本形といえば、絵画における構図だと考えてもさしつかえないと思っています。(ただし写真は、応用として、この構図に縛られることはないんですが・・・)

初心者の方が、写真を上手に撮りたいと思われるとき、その上手な手本は、歴代絵画のイメージを暗に求められることが多いようです。たとえば黄金分割(縦横線の画面内での比率)だとか、遠近のまとめ方だとか、絵画手法を継承して、写真画面をつくる、というのもトレーニングとしては有効です。
水平線が水平に、垂直線が垂直に、左右対称に、などが基本事項ですし、なによりも撮りたい、見せたいと思うモノが中心であることです。
じゃ〜このとおりに写真を撮ればいいかといえば、これでは完了しないんですが、初心者の方へのアドバイスとしては、まづ、上記の基本形を作ることができる。

観光地で売られてる絵葉書。絵葉書をばかにしたような発言をされるカメラマンがいます。でもね、ボクの経験からいうと、絵葉書を作れないレベルの基本構図さえマスターされてない方の発言、というのが結構あります。まづは絵葉書として満足いく写真に仕上げられるかどうか、これ、ポイントですね。

カメラのシャッターを押せば、写真が出来上がってしまうんです。カメラというのはそう云う装置です。ピントとか、露出とか、構図など、意識しなくてもカメラが撮ってくれる、そんな時代なんですが、だからこそ、写真の基礎としてマスターしておかないといけない技術がある。このように考えております。

     


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   <何を撮るか>1


写真を撮る技術の基本として、「ピント・露出・構図」の話をしましたが、技術をマスターしたからといって、意味ある写真が出来上がるわけではありません。つまり<何を撮るか>ということが重要なポイントになります。
もちろん自分が気に入った「被写体」を撮ります。ママがわが子を撮る、旅行記念に写真を撮る、友達と一緒に写真を撮る・・・写真の撮られる場、というのは様々な場面がありますね。その場その時の記録として、自分と家族や友達が共有する「記憶」として、写真が撮られます。

上記のような写真の撮られ方は、非常にプライベートな関係のなかで撮られ保存される写真です。ところが、もう少し広い関係の中で、自分の撮る写真の存在を考えようとします。自分の撮った写真を、第三者に見せる、見せたいと考える人が出てきます。つまり写真作家になりたい!という願望です。

写真作家になりたい!このような考えに立ったとき、じゃ〜何を撮る?ということが必要になるのです。プロカメラマンという職業があります。この職業に就くには、写真を撮ってお金を得るというサイクルを作りだす必要があります。あるいは写真を販売する組織の一員となって、給与をもらうということもあります。
現代の写真作家志向というのは、プロカメラマンになるという志向ではないことが多いです。つまり写真を撮って作品にしたいが、職業としてのカメラマンを目指すのではない。ひところは、アマチュアカメラマンという呼称で括られていた人です。本音をいうと、写真を撮って生活を立てたいという欲求が生じます。クライアントの要求に応じて写真を撮れる人がプロカメラマンだとすると、自分の考えで写真を撮りたい、アマチュアカメラマンの呼称が、いまや写真作家になる予備軍としてあるのかも知れません。

このような区分は、便宜上の区分であって本題ではありません。ここでの本題は、自分の考えで写真を撮って作品にすることで、この作品にする被写体を何にするか、という問題。つまり<何を撮るか>という内容にはいるわけです。

     

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   <何を撮るか>2


何を撮るか、って問われて出てくる答えは、<自分の興味あるもの><自分が好きなもの>。基本的にはこのことだと思います。写真は<現存するもの>しか写せないですから、具体的な「もの」です。
花が好きなら花を撮ればいい、自分のコレクションがあるならコレクションを撮ればいい、昆虫の生態に興味あるなら昆虫を撮ればいい・・・・、まあ、こういったことです。
けっきょくは、自分の興味あるもの、好きなもの、これしか自分にとって面白くないんです。頼まれて撮る場合は別ですが、自分の作品となると、結局はここからはじまり、ここに終わる。

ストレート・フォトという呼び名があります。これは現実に在る物を撮る、「写真にする」、ということだと思えばいいですね。他には、メイク・フォトとかマニピュレイト・フォトなんていう写真もありますが、これは作り写真だと思えばいいです。ここでは、ストレート・フォトをベースに話をします。

ところで、自分の興味あるもの・好きなものって、自分で判りますよね?でも、最近の傾向なんでしょうか、これが希薄な人って結構いるんです。何を撮ったらいいのか判らない、とよく聞かれるんです。つまり、何に興味があるのか判らない、というんです。これは最大に困ったことです。写真は自分を見つめる鏡だ、とボクはいってます。写真を撮りだし、作品化したいと思うようになると、他人の写真が気になる。世に出ている写真集などを見てしまう。そうして自分の実力を知り、落胆する。こういうパターンが多いです。

何を撮る、の基本は、自分の興味あるもの・好きなもの、これを撮ることなのです。だから、自分に興味あるもの・好きなものが何かを確定させなければなりません。このことって、自分を見つめていく作業だと思いませんか?
ここが出発点です。自分が写真にする「もの」の、社会的意味とか、価値が、どうこうというのはその次です。

     

  写真基礎講座
   <写真の技術と内容>


一般に使用される現在のカメラは、ピントや露出を自動的に決定してくれるオートカメラが主流です。フィルム装填カメラもデジタルカメラも同様です。写真術が発明されて160年余りの歴史がありますが(注・発明は1839年フランスです)、初期のころは、画像を定着させること自体が、一般には出来ないような技術が必要でした。時代とともに<写真>が産業構造のなかに組み込まれ、カメラ操作の点でも利便性を追求してきます。そうして現在のオートカメラが主流になったのです。

このような現在地点に立って、写真の制作をとらえてみると、撮影技術というのは不要のようにも思われますが、実際に意識して写真制作をおこなう場合には、オート機能だけでは十分でないことになります。カメラ装置は、工学・光学器械です。絵画では、絵筆をもってキャンバスに絵具を塗る行為によって出来上がりますが、写真は工学・光学器械で、光を捕えたカメラが自動的に画像を作ってくれます。

写真制作を絵画制作と比較する根拠は、現在においては全くありません。写真はそれじたい独立した形式の表現物です。で、ここでは、理解を助けるために絵画を引き合いにだしているのにすぎないのです。ところが写真は、出来上がりの表面が、絵画に似ているので、類似物の範疇に収められがちです。絵画と写真は、すでに比較対象のものではありません。この立場が基本です。

写真を制作する技術のポイントに<ピント・露出・構図>の三点をあげました。そうして<何を撮るか>ということを組み合わせました。この二面が、写真制作のための両輪です。技術要素優先でもなければ、考え優先でもないと考えています。技術と考え<技術と内容>は、同列にあります。まずはこの同じ位置にあることを認識します。

内容はアイデアであるとも云います。アイデアはある種の直感です。直感的感動を伴ったものです。写真の内容を捉える手段として、社会的意味や社会的価値を基準として吟味していきますが、このプロセスは写真制作の根本ではないと思っています。特に現在の写真動向のなかでは、この直感力を優先させたい。「感じる心」を優先させたいと考えています。

写真を撮って、一定の処理をして、人に見せる(発表する)というプロセスがあります。この写真基礎講座シリーズは、<写真を撮る>ということについての論です。あなたが、もしくは私が、カメラを持って撮影するという現場の出来事を軸に置いています。処理プロセス、発表プロセスは、次のステップ講座で論じますが、ここでは写真を撮る現場に対処するための論です。

     

 写真基礎講座
   <写真器材の進化>


写真を作る技術的な側面からいえば、写真器材の変化があります。一般には、35ミリフィルムが主流になり、撮影カメラは「一眼レフカメラ」となります。一眼レフカメラとは、レンズを通ってきた光景を、カメラに内臓された鏡で反射(レフ)させてファインダーで見る方式のカメラです。1950年代以降をみてみますと、露出計が組み込まれます(露出計内臓カメラ)。TTL方式で、ファインダー内に露出値を示し、手動であわせることができるようになります。

その後、1970年代には、カメラが自動的に露出値を設定してくれるようになります(自動露出(オート)カメラ)。マイクロチップが開発され、カメラに組み込まれることで、様々なプログラムが設定できるようになり、全自動カメラが開発されてきます。1990年代半ばになると、デジタルカメラが発売されますが、当時には35ミリフィルムカメラは、露出もさることながらオートフォーカス(自動ピント)カメラが主流になり、マイクロチップによるコンピュータ制御がおこなわれます。

このようにこの半世紀の歴史をみても、手動で露出を測り、露出値を決定し、ピントを合わせて撮影するカメラから、全てカメラが決定してくれて、撮影者はシャッターを押すだけの年代に入ることになります。撮影者はモチーフを考え、捉えることに専念すればよいことになったのです。つまり現在は<何を素材にして、どのように撮るか>ということに専念すればよい年代になったといえます。

     

<フィルムの進化>

デジタルカメラはひとまず置いて、フィルムの進化を見てみます。現在、一般市販されているフィルムの種類をみますと、サイズは4×5インチのシートフィルム、ブローニー版、35ミリ版です。種類は、モノクローム(白黒)フィルム、カラーフィルム。カラーフィルムには、ネガカラーフィルムとリバーサルフィルムがあります。特殊仕様フィルムや各種類に、フィルム感度別のグレードが発売されています。ここでは、個別には触れませんが、写真の進化は、モノクロームしかなかった年代から、カラーが主流になる年代へと変化したことがあげられます。

モノクロテレビ画面からカラーテレビ画面へ変わるのと同じように、モノクロ写真からカラー写真へと進化します。産業構造のなかにある写真は、おおむね最新の器材と材料を使うことによって制作されます。デジタルカメラの開発によって、現在の主流はデジタルカメラに移行しつつあります。

※さて、このようにしてカメラ器材とフィルムの進化の結果の現在(2005年)があります。デジタル化の波によって、フィルムは過去のものになった!と云いたいところですが、写真を表現手段として捉えるカメラマンには、まだまだフィルム需要が主流のようにも見受けます。

※商用写真(コマーシャル分野やジャーナリズム分野)においては、現在、おそらく90%〜100%に限りなく近い数値で、デジタルカメラを使っています。

    

  写真基礎講座
   <原点回帰への潮流>


写真の発明は1839年、ダゲール(仏)とされています。この発明に先立つ1826年、ニエプスが世界最初の写真撮影に成功します。現在のカメラの原型となるカメラ・オブスキュラは、絵を描く補助手段として使われていた道具(器具)でした。このカメラ・オブスキュラに、感光版を挿入し、手で描くことなく光に描かせたものが「写真」です。

その頃から、写真関連産業が興ってきます。大きなカメラボックスから小型化され、フィルムが開発され、オートマチックになってきます。その歴史は、精度向上であって、写真を制作する原理としては、基本的には変わらずに、進化してきたといえます。

近年になってデジタルカメラが開発され、写真制作の方法が大きく変化しました。この変化に呼応するように、写真の原点回帰現象が、写真愛好家のなかに顕著に見られるようになってきました。ここで云う「原点回帰」とは、感光材料として銀に頼らない手法(非銀塩写真)。これは工業生産品ではなくて自ら感光材料をつくります。カメラの方でいえば、ピンホールカメラです。ピンホールカメラとは、針穴写真機、全くの手作りカメラです。

この潮流は、感光材料にフィルムを使った写真制作の方法が終わったことに拠っていると考えています。160年余りの写真術に変わる、デジタル写真術の登場が、この潮流を促しています。今後、手作りカメラブームは、ますます盛んになっていくと考えています。これは、回顧趣味というのではなく、写真表現の方法、その制作材料の選択肢として、現在のフィルムや印画紙と同列で、過去の制作方法が並んだ、と解釈します。

写真の原点は手作り(手工業)です。世の潮流は、高度に進みすぎた工業化とグローバル化に逆行するように、自然化、たとえば有機野菜や流通のローカル化が注目されているのと、同軸だと思います。とすると、カメラを自作すると同時に、感光材料を自前でつくることが、求められます。現在市販のフィルムや印画紙に変わるものを自作する。ピンホールカメラ。その行き先は、感光材料までをも生産するところまで行き着かなければ、原点回帰の意味をなさないと考えています。

フィルムを使って写真制作をする。この場合、過去にあった様々な器材と材料を組み合わせて作品をつくる、という入り口に立ったのが、現在地点です。

     

  写真基礎講座-技術編(1)-


写真基礎講座の1〜8で、写真を作品化するためには、技術と内容の両輪が必要であることを話しました。ここでは、あらためて写真の技術基礎に戻ります。

写真を撮るときのポイントを書いておきますと、(1)自分の感性を養い、自分が見つけた「もの」を、見てくれる人の興味と視覚に刺激を与える「もの」であることがポイントになります。(2)この、見つけた「もの」を、カメラや感材を使って表現することになります。
こうして出来あがったものが写真です。前段でも述べておりますが、大切なことは、「自分がどんな写真を撮りたいか」ということです。その撮りたいものを写真として実現するには、基本的な撮影技術をマスターすることが必要になります。

自分が所持しているカメラを使いこなす。いうなれば自分の身体の一部になるようにしなければ、使いこなすことにはならないのです。カメラ操作が、自分の身体の一部となり、写したい「もの」にピントが合わせられることが、基本中の基本テクニックになります。その次の基本テクニックが、露出(露光)と構図(フレーミング)いうことでしょう。
「ピント・露出・構図」、この三つのことを身につけるには、カメラの目をもって写真を撮るトレーニングが必要なのです。

写真を始めたばかりの人が、ある被写体を一枚撮って、これで作品になると思っているとしたら、それではダメです。一枚で決定、と云うのはトレーニングを積んでからの話です。かってブレッソンという写真家は「決定的瞬間」といいました。でも、決定的瞬間を撮るには、絶え間ないトレーニングが必要になります。

ここでは、しばらく撮影技術の話をシリーズにしていきたいと思っています。

     

  写真基礎講座-技術編(2)-


●カメラの話

カメラは写真を撮るときの道具です。フィルム装填「一眼レフカメラ」が写真作品をつくるためのベーシックカメラです。とはいえ、デジタルカメラが、すでにベーシックカメラとして位置づけていいのかも知れないですね。
カメラには、いろいろと種類があります。次に代表的なカメラを列記し、簡単な説明をします。

「デジタルカメラ」
写真を撮るに当たっては、最初にカメラを選びます。最近では、デジタルカメラを最初に手にすることが多くなっています。ピント合わせや露出決定など、面倒なことは全てカメラ任せにできます。小型軽量で持ち運びにも便利ですね。一眼レフ型のデジタルカメラも大々的に発売されてきています。

「35ミリ一眼レフカメラ」
フィルム装填のカメラです。フィルムを使って、作品をつくり始める初歩カメラとして使えばいいでしょう。オート設計になっている機種がほとんどですが、マニュアル操作ができるようになっている機種を選びましょう。ファインダーを通して、フィルムに写るそのままの像を見ることができるので、構図が確認しやすいです。また、交換レンズも豊富なので、作品つくりのための主流カメラとなっています。レンズを通ってきた光を、カメラの中の反射鏡(レフ)で屈折させてファインダーで像をみます。つまり一つの眼(レンズ)と反射鏡(レフ)で写真を撮るカメラ、一眼レフの由来です。

「トイカメラほか」
俗称:玩具カメラです。35ミリフィルムを装填して撮影しますが、一眼レフカメラやコンパクトカメラでは出来ない、味のある写真が撮れることから、意識的にこの種のカメラを使うカメラマンも出てきています。

「ピンホールカメラ」
手作りの針穴写真機です。最近は講習会や写真教室もあります。段ボール箱や菓子箱など、内部への光を遮断する立体物であれば作れます。一面の真ん中に針で穴を開け、穴の奥に印画紙やフィルムなどの感光材料を装填し、写真をつくります。写真の原理、原点をそのまま使うことで、写真の見直しとして話題になっています。

※ほかに、コンパクトカメラ、中型カメラ、大型カメラ、ポラロイドカメラ、手作りカメラ、などがあります。

     

  写真基礎講座-技術編(3)-


●レンズの話

一眼レフカメラでは、レンズ交換ができます。カメラに装填するレンズには、単焦点レンズとズームレンズがあります。
単焦点レンズは、焦点距離が一定で、20mm、28mm、35o、50o、85o、100o、200oなどがります。特殊なレンズとして、魚眼レンズ(7〜8mm)や超望遠(300o以上)、接写(マクロ)レンズ、などがあります。
ズームレンズは、焦点距離が可変で、標準ズームレンズは、一般に28〜35o(広角側)から70〜80o(望遠側)をカバーします。広角ズームレンズ(17〜35o)、望遠ズームレンズ(70〜200o)もありますが、初心には標準ズームレンズが使いやすいです。レンズ一体型のデジタルカメラには、標準ズームレンズがついています。

標準レンズと呼ぶ単焦点レンズがあります。35oカメラでは50o前後が標準レンズとなります。何をもって標準と云うのかといえば、フィルムの画像が写る部分の対角線の長さを基準とします(35oフィルムでは、実効:縦24o、横36o、対角線43.2o)。標準レンズより短焦点レンズを広角(こうかく)、長焦点レンズを望遠(ぼうえん)と呼んでいます。

広角レンズは、写る角度(画角)が広く、遠くのモノがより遠くにあるように写ります(パースペクティブが深い)。
望遠レンズは、写る角度が狭く、遠くのモノが近くにあるように写ります(圧縮効果がある)。
標準レンズは、人の目に近い距離感が得られるように思いますが、実感では80〜100oあたりが人の視覚です。

レンズには絞りの羽根がついています。羽根を開いたり閉じたりすることで、光の量を調節します。

光学設計技術が向上し、複数の凹凸レンズを組み合わせ、レンズ表面をコーティングして乱反射を押さえています。写真に置き換える装置としてのレンズ、新しいものが良い、とは一概には言えないものです。シャープな切れ味がするレンズ、なんとなくホンワカとした切れ味のレンズ。メーカーによる違いもあります。レンズが写真の質の良否を決めるものではありませんが、自分の感性になじむレンズを探しだすことも必要かも知れません。

     

  写真基礎講座-技術編(4)-


●フィルムの話

デジタル写真の時代になって、いまやフィルム写真は過去の話になるかの感があります。しかし現時点(2005年)では、作品制作の上で、まだまだ需要が多いのも事実です。過渡期の時期ですが、ここにフィルムの概略を書いておきます。

フィルムの材料はセルロイドです。かって写真を作るには、銅版やガラス板を使った時期がありましたが、工業製品として現行のフィルムが開発されました。35ミリカメラのフィルムは、映画制作のフィルムを転用したことに由来しています。

フィルムの種類には、形状とサイズでいうと、ロールフィルムとシートフィルムがあります。ロールフィルムは、一般に使っているフィルムで、一本で36枚、24枚撮れる、というようにロールになったものです。シートフィルムは、大型カメラで、一枚づつ使うフィルムだと思えばいいです。サイズは、35ミリ版、ブロニー版(60ミリ)がロールフィルム、4×5インチ、8×10インチなどがシートフィルムです。

フィルムには、カラーとモノクロがあります。いうまでもなく、カラーは色つき、モノクロは白と黒、です。

カラーフィルムには、リバーサルフィルムとネガカラーフィルムがあります。
リバーサルフィルムには、デーライトタイプとタングステンタイプの二種があり、前者は太陽光、後者は電灯光の色温度にあわせてあります。リバーサルフィルムのことを、ポジフィルムとかスライドフィルムとも云っています。
ネガカラーフィルムは、フィルムベースがオレンジ色で、モノクロフィルムのカラー版だと思えばいいです。

モノクロフィルムは、白黒写真を作るフィルムです。自家現像処理が、比較的簡単に出来ますので、手作り感が味わえます。

フィルム感度について。
感度の表示は、ISO(アイエスオー)で示します。50、100、200、400など、数字が大きくなるほど、弱い光でも撮影できます。ただし高感度になるほど粒子が大きくなるため、画像が荒れることになります。

写真フィルムは、目に見える物質です。カメラの進化とフィルムの進化で、現在の形となっています。最初の写真が1826年に撮られて以来、約180年の歴史があります。カメラの原理がルネサンスのころに発見されて以後、今日まで、物理的な原理形式は変わりませんでした。
デジタル化されたカメラとデータは、カメラやフィルムの物理的原理を別のものにしました。歴史の連続とみるか断絶と見るかは、写真を見る位相によって変わるものだと考えています。

     

  写真基礎講座-技術編(5)-


●プリントの話

フィルムで撮られたイメージは、プリント(印画紙)に定着して、写真作品となります。
この基礎講座では、「オリジナルプリント」または「ファインプリント」という考え方について述べます。

オリジナルプリント・ファインプリントは、写真を絵画や版画と同じレベルで作品として捉えることです。これは、写真作家を目指される人が、フィルムからプリントに仕上げて作品とするプロセスについての基礎知識となるものです。

写真プリントは化学処理により制作されます。この処理が不完全であったり、保存状態が悪かったりすると、後日変色や退色が起こってきます。そのため、少しでも長期保存するために適した処理や保管方法などが、研究されてきました。デジタル化の時代となった現在、フィルムによって撮影された写真プリントが、将来、写真制作の古典技法となると認識します。だからこそ、フィルム写真の基礎概念として勉強していく必要があると考えます。

オリジナルプリント・ファインプリントを作りときには、アーカイバル処理をしていきます。これは前段で述べるように、できる限り長期保存を目的として、写真の処理から仕上げまでのことをいいます。美術館がコレクションするとき、作品は原則として永久保管されます(パーマネントコレクション)。写真が、絵画などに比べ処理や保管をおろそかにすると、将来に極端な変色や退色が起こる弱点があるからです。

古い写真が茶色に変色し、レトロな感じがすることから、デジタルカメラにはブラウン調に仕上げる機能がついていますが、モノクロ写真の場合、ブラウンに変色していくことは、極力避けなければならないことなのです。非銀塩写真のプロセスで、ブラウンプリント技法があります。このプロセスでは、ブラウン色が基本ですから、作品はブラウン色に仕上がります。

いま、ここでは具体的なプリント処理のプロセスは書きませんが、フィルム写真のプリント認識として理解しておいてください。

初出:あい写真学校blog 2005.6.13〜8.23 by nakagawa shigeo